2006-07-02
[映画] リンダ リンダ リンダそんなに面白い映画じゃないが…。
それはこの映画がとんでもなくリアルであることの裏返し。
どこをどう切り取っても懐かしいあの日の残骸が転がってる。
普通の監督さんなら彼女たちの演奏が終わって大団円!な終わり方にするだろうに、その舞台裏で登場人物みんなが気づかないまま、あくまで現在進行中の「ハレの終わり」を冷徹に映して終わっていく様にゾッとした。しかもそこで流れてる曲が「カバーされたブルーハーツ」というのも怖いほどリアルだ。こんな光景、確かにこの目で見たことがある。
現役の高校生がこの映画を見ても何も感じないだろう。
この「ハレの終わり」をこれから見るんだからね。
気がついたら高校を出てもうすぐ10年か。
ある意味残酷だ、この映画。
7点。
ラベル: 映画
2006-02-25
[映画] 機動戦士Ζガンダム -恋人たち-前作「星を継ぐもの」もひどかったが、今回はそれにも増して新旧作画のツギハギっぷりと、ストーリー超スキップっていうかΖ知ってる人でさえ「あれ?」という展開にはげんなり。フォウが死んだ後、まるで何もなかったかのように進むストーリーはあんまりだってば。
新作カット部分はお世辞抜きに見事。
これで全部作ってたら、それこそ歴史に残っただろうに…。
3点。
ラベル: 映画
2005-10-28
[映画] 機動戦士Ζガンダム 星を継ぐ者公開当時、千葉県内では公開劇場が一館のみ、しかも仕事疲れでとてもじゃないが見に行ける状態ではなかったのでDVDをひたすら待ったこの作品。
前編新規作画だったら最高だったのに…。
へっぽこ旧作画とのギャップが…。
予想通り、ストーリーは詰め込みすぎで、初見の人には全く意味がわからない状態。
逆にわかる人にとっては、それが「テンポの速さ」となって、かなりの快感となるのだが。
だけど「徹底した予習」が必要な映画ってのも問題だしなあ…。
ご祝儀で4点。
客観的に評価したら3点か。
ラベル: 映画
2004-04-07
[映画]「幻の湖」
あらゆる意味で伝説のこの作品、ついに見る日が来た!
(;´Д`)
1点。
ラベル: 映画
2004-03-13
[映画]風呂に入りながら何となく座頭市についてボケーッと考えてたら、勝新版と北野版との差異がウジャウジャ頭の中に。
別にそれをことごとく指摘して「だから北野版はダメ」という気は毛頭無い。
実際北野版も面白かったし。
ただ、「座頭市」としてはどうかと思うのだ。
だから二つだけ指摘させていただく。
昨日見て感じた違和感が、「敵を斬り殺しすぎ」というもので、これは勝新版でも同じなわけだが、そこに至るステップが違うことに気づいた。
北野版
「おい、サイコロの音、変わったなぁ…」
「なんだと。このめくらが」
−ここで悪役全員斬り殺し−
勝新版
「あれ?サイコロの音、変わりましたね」
「なんだと。このめくらが。文句つけようってのか」
「へへっ。とんでもねえ。いやね、あっしのようなめくらは目が見えない分、音に敏感でね。嫌でも分かっちゃうんですよ…」
「だったらてめえでサイコロ確認してみるか?もっとも目が見えないんじゃしょうがねえがなあ」
「ちゃんとしたサイコロ使って下さいよ」
「うるせえ!このめくら!しつっけーぞ!」
−ここで悪役全員斬り殺し−
「…めくらめくらって、他人様の悪口を言うもんじゃありませんよ。嫌な渡世だなあ…」
明らかに北野版では踏むべきステップをバッサリ省略している。
もちろんこれは座頭市の剣の腕を効果的に見せるための演出なのだろうが、このせいで座頭市がそれまでの北野作品に出てくる「すぐキレるヤクザ」に見えてしまうのもまた事実。
また、こういったステップの省略に伴って、「座頭市が背負っているもの(人生というか、業というか、そんな感じのものをイメージしてくれ)」がすっぽり抜け落ちている。
勝新版での「嫌な渡世だなぁ…」というセリフが何故心に響くのかというと、それは画面上の座頭市から出てる「背負い込んでいるもの」の重さのために他ならないのだが、北野版にはそれがない。
一応ラストのセリフが「嫌な渡世〜」に対応するものだと考えられるが、あまりに軽い。
自分は最初はただの「オチ」として捉えてしまった。
じゃあ何故ここまで軽くなってしまっているのかというと、長くなりそうなので書くのがめんどいので書かないが、やっぱり「ファッション」がキーワードになるんじゃないかねえ…。
こんな文章書いてたら勝新の「座頭市」が見たくなってきちゃったな…。
…どうでもいいことだが、覚醒剤や大麻で捕まった芸能人は多いが、アヘンで捕まるという豪快なことをやってのけたのは勝新太郎だけである。
ラベル: 映画
「座頭市」
面白い。
面白いんだけど、物足りない。
殺陣はカッコいいけど、CGの血が飛びすぎてなんかしらける。
何て言うか、純粋に殺陣をやってるんじゃなくて、「あくまでこれは座頭市の強さを際だたせるためのファッションだから」というエクスキューズがあるように感じた。
その証拠というわけではないのだが、人をバッタバッタ斬り殺しているのに、これまでの北野作品で嫌というほど感じられた「痛み」が全く表現できていないのが致命的。
話題となったタップを意識した音の作り・演出も、百姓が鍬で田んぼを耕すシーンや大工が家を建てるシーンは「うまいなあ」と思ったが、エンディングのあれはやりすぎ。最後でしらけた。
ストーリーはこれまでの北野作品に比べるとあまりに浅すぎる。
もちろん「娯楽映画」ということを考えればストーリーが浅いことも納得できないこともないんだが、やはり北野作品という冠が付けばその文学性がまず気になるわけで…。
これで「座頭市」というタイトルを付けるのはさすがにどうかと思う。
はるか昔に見た勝新太郎の「座頭市」の方があらゆる点でずっと深いわけで。
初の娯楽作品ということを考慮して6点。
何だかんだ言いながら次の作品も見るんだろうなあ。「今度は面白いに違いない!」とか思って。
北野武、日本人のほとんどから愛される希有な人だ。
ラベル: 映画
2004-02-22
[映画]「たそがれ清兵衛」
同じような時代背景の「ラストサムライ」と比べてみると、その素晴らしさがよく分かる作品。
ラストサムライのようなわざとらしさが一切なく、ただ淡々と物語が進んでいく。
風景のカットの美しさも素晴らしい。
「侍」を描いたこの作品を見て、ラストサムライが描いたものはあくまで「サムライ」であることがようやく分かった。
そうなると、自分がラストサムライを見たときに感じた「わざとらしさ」や「あざとさ」が何故あれほどむかついたのかも納得がつく。
要は「ワビ、サビ」の感覚があるかどうかということだ。
やはり本物の侍映画は日本人の手じゃないと作れない。
ラストサムライは絢爛豪華だが、実はハリボテなんだな。
ラベル: 映画
2003-09-25
[映画]ストレイト・ストーリー(1999年【米・仏】デビット・リンチ監督)
いやあ、デビット・リンチ作品だから「どんな謎が謎で謎の中の混乱した主人公の妄想の世界の謎がまた謎で、あっちが回想シーンでこっちが夢の中でこれは現実だから…」という見方をしなければならない映画だと思ったらあらびっくり。そういうひねりとか一切なし。つうかこれって実話なのね…。
今まで見たロード・ムービーの中で一番良かった。
ゆったりとした時間の感覚と黄金色の大地、長く延びる一本道、美しいカントリー調の音楽、そして何といっても主人公の爺さん、リチャード・ファーンズワースの素晴らしい演技(特に表情)。
迷うことなく五つ星。文句なし!
ラベル: 映画
2003-08-31
[映画・アニメ]「千年女優」アカデミー賞にノミネート有力
確かに、「千と千尋」よりはこっちの方が面白いので、「千年女優」がアカデミー賞を取れないのはおかしいわけで。
第一、「千と千尋」は作画こそ驚異的なものの、「宮崎ブランド」の上にあぐらをかいて作っただけの駄作であって、ジブリ作品でなければあそこまで社会現象になることはなかったはず。
アメリカ人に好評だったのは妖怪たちが「エキゾチック・ジャパン」な雰囲気を醸し出していたからで、ストーリー云々の問題ではない。
「千年女優」も、正直言って例の「最後のセリフ」のせいで星4つ、といったところだが、作画もストーリーも「千と千尋」と同等であることは間違いない(決して上回ってはいないが…)。さすが今敏、といったところか。
今敏は「千年女優」のアイディアを考えたとき、スタッフロールとともに平沢進の「Lotus」が流れているイメージが鮮明に頭に浮かんだという。そして平沢進は「Lotus」を超える名曲「ロタティオン(Lotus-2)」を作り上げるわけだが。
例の最後のセリフ、「だって私、あの人を追いかけている私が好きなんだもの」で見てる者は「あーあ…言っちゃった」と思ってしまうのだが、次の瞬間に流れ始める「ロタティオン(Lotus-2)」のおかげで相殺される。
まあ、これをアメリカ人がどう見るかは分からんが、「攻殻機動隊」をちゃんと評価できたアメリカ人のこと、こうしたSF作品を見る目はあるはず。
「千年女優」の健闘を祈る。
ラベル: 映画